こんな間柄
ファミレスでランチしとる時。お互い違うもんを食べよったら、やっぱり気になるのは相手の料理。「ああ、美味そう。」なんて思う。たぶん目の前の相手も思っとるはず。と、無言で俺の皿に箸を伸ばし、パクっと食べてしまう。ふたりはそんな間柄。
愛車の具合が悪くて一緒にディーラーを訪問。点検中、店内のテーブルに座って待つふたり。お店からお茶なんか出たりして。そしたら整備員がやってきて、「ご主人様が異音がするっていう事ですが・・・」と俺の方を見て言う。「自分、夫じゃないんです。」と告げる自分。「じゃあ誰なんだ、おまえ?」という表情を一瞬浮かべて、妻の方と打ち合わせをする整備員。ふたりはそんな間柄。
夕暮れの郊外のホームセンターに到着。でかいカートを押しながら、「じゃあ、こっちからこう行って一周しようか」と歩き始めるふたり。「このヤカン、どう? こんなモップ欲しい?」と俺に訊いてくる。「これは欲しいけど高いよね。でも、こっちはあれば重宝するけどいらん」と答える自分。すると、「家にもういらないのあるからあげるよ」だって。結局、買ったのはそれぞれ千円ちょっと。でも、気付いたら2時間弱も店内をうろちょろ。ふたりはそんな間柄。
屋上の駐車場に戻ると、もう夜空。「あ、あれが火星やん。今日もよく見えるね」って言ったら、「え!? 8月末に大接近したんじゃないの?」と驚く。そんな、1日だけ接近して、とっとと遠くに行くわけじゃないっちゅうに。
締め括りは、やっぱりファミレス。「たぶん、アソコのテーブルのヤツら、ホ●やで」と教えると、「坊主にショートパンツだから?」と的確な反応。そのうち料理が運ばれてきて、パクパク食べ始めるふたり。すると突然、「やっぱり何も言わずにひとの料理つまんじゃダメかなあ?」と、今ごろランチの時の話しをしてくる。「誰でもいいわけやないけど、○○なら別に気にせんよ」と自分は答える。「ああ、よかったあ。」ふたりはそんな間柄。

