好きになるきっかけみたいなもの

普段は、たいして気にも留めとらんのやけど、思わぬところで目の当たりにして感心してしまう仕草や行動がある。
顔や身体や性格でもなく、そんな些細なことで、すごく人を好きになったり、逆に嫌いになったりすることもあるんでないかと思う。

先日、お手伝いしとる蕎麦屋でのこと。
ご注文の品をお客さんの席まで持って行ったら、そのお客さんは、まだ20代前半っぽい若い子。

カジュアルな服装で、ちょっと髪も色を入れとるけども、たぶん学生ではなく、私服OKな仕事場で働いてそうな感じ。
ようやく昼休みの時間が取れて、ちょっと遅めのランチにひとりでやってきたと見た。

その彼の前に、丼の乗ったトレイをお持ちしたら、最初にお出したお冷やのグラスが空っぽになっとるの気付いた。
そら、店員として、お冷やのお替りを入れてあげますわな。

で、トレイを置いて、お店特製の冷やした蕎麦茶を注ぎよったら、彼が手を合わせ、小さな声で 「 いただきます 」 て言って食べ始めたわけで。

いやあ、見た目はすんごいカワイイわけでもないんやけど、もう、その仕草と言葉だけで、いっぺんに好きになりそうな感じ。

たぶん、そのコは、小さい頃から食べるときには、きちんと手を合わせて 「 いただきます 」 て言うとるから、彼にとって、それは特別なことでもなんでもないんよね。
たかが店員の、蕎麦茶を注いどる自分に言うとるわけやないやろうし。

でも、すんごく感心してしまった。
しばらく、厨房からそのコのことをチラ見なんかしとったし。

やからといって普段から、友達やらと食事するときに、「 こいつはちゃんと “ いただきます ” て言うやろか 」 とか注視しとるわけではないんやけども。
誰が言うて、誰が言うとらんとか、ぜーんぜん知らんし。

自分も、手を合わせて 「 いただきます 」 て言うとるときもあるやろうし、そんなんしとらんときもあるような気がする。

そういえば自分もむかし、ご飯粒を残さんで食べることを感心されたことがある。
それは、自分にとってはすごく当たり前のことやったんやけど。
小さい頃から親に 「 ご飯粒は残したらいけんよ 」 て言われよったんで、いつしか無意識のうちにご飯粒は残さんで食べるようになっただけのことで。

もちろん、感心してくれた相手も、同じようにご飯粒は残さんヤツで、
お互い、あたりまえのことをあたりまえのようにやっとっただけなんやけど。

まあ、そういうことだけでその人の全てを判断できるわけやないし、そんなんで判断したら、あとで思わぬ落とし穴もありそな感じですが。
フフ。

でも、あのコ、
最後に手を合わせて 「 ごちそうさまでした 」 て言うたんかな。

好きになるきっかけみたいなもの” に対して3件のコメントがあります。

  1. 匿名 より:

    俺は頂きますを
    ”乾杯!!”
    で代用しとります
    毎回必ず言うしね(あはは)

  2. 匿名 より:

    あっ↑はジューシーでした

  3. みのる より:

    ●ジューシー
    おおっ、なるほど。
    そういうパターンもあるか。

    なんだかすんごくあなたらしくて、
    お似合いやんなあ。

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