愛しとる

「 好いちょる 」
「 好きやで 」
まあ、そんな風なことを、この顔でのたまうこともあるわけで。
きゃっはー。

でも、 おんなじようなシチュエーションでも、言わん言葉がある。
いや、 “ 言わん・・・ ” というよりは、 “ 言わんくなった ” てのが正しい。

別に数を数えて覚えとるわけやないから正確なところは分からんけども、20代のころは、このアヒル口で何度か発したことがある言葉。
でも、いつからか 「 好き 」 とは言えても、それは言えんくなった。
なんでやろ・・・。

まあ、自分自身もそんな言葉を投げかけられることもなく何年も過ぎたから、ほかの人も、そうそう頻繁に使う言葉じゃないっちゃろな。
うん、ちょいと安心。

「 好き 」 っち言うときは、自分の中にその気持ちがあるのがすごく分かるんで、な〜んの躊躇もなく言葉にするこができるんやけど。
いやまあ、もちろんシチュエーションによっては、言葉にするのをためらうこともあるけど。
そら、好きやからと言って、状況も考えず言いよったら、大変なことになりますわな。
つまり、自分の心の中の問題としては、その言葉に嘘偽りはないというわけで。

「 愛しとる 」

その言葉を使うとき、それは 「 好き 」 ちゅうのと、どう違うんかが自分ではよー分からん。
“ 好き ” よりも上?
“ 好き ” とはまた違う感情?
よー分からんから、使えん。

ただ、高校生のころ、いまでも一番仲のいい友達んとこによく泊まりよったときに、日本語禁止ゲーム・・・みたいなのをやって、ちょいと照れながらお互いに、 「 I love you 」 とか言ったことがある。
にゃは。
えーっと、まだオレもノンケやったし、相手も正真正銘のノンケなんやけど。

でもなんかそんときに、 “ like ” では軽すぎる気がしたんだわさ。
“ like ” やと、ハンバーグが好き、とか、そんなんのんと変わらん気がして。
そいつは友達として、すんげえ気があって、いろいろ話せたのはそいつが初めてで、尊敬できたし、本当に人として好きやった。
あ、いまでも好き。
やから、そのときの “ love ” はいまでも間違いやなかったと思う。

誰か好きな人に対して言う日本語の 「 好き 」 てのは英語の 「 love 」 でないかと。
なんとなーく、そう感じる。
じゃあ、 「 愛しとる 」 てのは?
“ I really love you. ” ? 
“ I love you so much. ” ?
はて・・・・。

まあこれも自分自身が言えんだけであって、ほかの人が使うことに対して、あーだこーだ言ってるわけではない。
そう思うから使うんやろうし、オレだって好きな人に言われればすんげえ嬉しいことに違いない。

そういえば、すごく若いコに
「 “ 好き ” ってのがまだよく分かんない・・・ 」 て言われたことがある。
それとおんなじように、自分にはまだ 「 愛する 」 てことの意味が分かっとらんのかもしれん。
はあ・・・、まだまだ甘ちゃんやのお・・・。

「 愛しとる 」
言ってみたいなあ・・・。

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