高校のときの一本の電話

※しめっぽくて、長いよ。

高校生のとき、自宅におった自分宛てに電話が掛かってきた。
なぜか、おばさん。
「 同じクラスの篠原久美 ( 仮名 ) の母親です 」 と電話口の向こうで言う。
確かにそのコはクラスにおるけど・・・でも、なんで、その母親が自分に電話なんか掛けてくるのん?

篠原とは小中は別で、高校から同じ。
クラスメイトになったのは2年から。
彼女は部活をしとって、派手でもなく、かといってオタク系でもなく、普通の高校生。

でも、ほとんど話なんかしたことなかったし、恋愛感情もオレにはないし、彼女にもないやろうし。
あっ、そのコと仲のいいコがオレのこと好いてくれとったみたいやったけど、だからって篠原のお母さんから電話が掛かってくるのも変やし・・・。
でも、それくらいしか思い当たらん。

オトンが勝手に延長コードを這わせて2階まで引っ張ってくれたプラスチックの安電話を片手に、4畳半の自分の部屋で、彼女の母親の話を聞く。
結構、長い話になった。
でも、詰問されたりするわけではなく、丁寧に、そして遠慮がちに、でも自分の娘を守ってあげたいという親心がすごく伝わってくる話やった。
もちろん、オレにもすごく気を遣ってくれとったと思う。

母親の話からすると、どうやら、篠原はすごく傷ついて悩んで学校に行くのもつらいらしい。
なんでも、オレやその友達からバカにされ、冷やかされて、恥ずかしくて、どうしようもないくらい苦しんどる、と。

ある日、篠原は、つい我慢しきれずに教室でオ●ラをしてしまったらしい。
それに気付いたオレらが、それ以降、こそこそと話をしたり、オ●ラの音真似を口でしたりして、篠原をおちょくっとる、と。

彼女の母親からそう聞いたときは、もう、いったいなんのことやらさっぱり分からんで。
オ●ラの音を聞いたこともなけりゃ、もちろん聞かなきゃバカにしたり冷やかしたりすることもないわけで。
それに、例え聞いたからっちゅうて、んなことせんし。

自分も正直に 「 なにも知らんです。でも、なにかオレらの言動が彼女に誤解を与えてしまったんやったらごめんなさい。 」 ということを彼女の母親に伝えた。
どうやらオレの言うことを信じてくれたみたいで、「 ごめんなさいね、こんな電話をして。 」 とかなんとか言ってくれた気がする。

「 この電話のことは久美にも、ほかの誰にも内緒にしてもらえる? 」とお願いされ、 「 ひとりだけ、すごく仲のいい、信頼できる林田 ( 仮名 ) ってヤツにだけは話をしてもいいですか? 」 と了解を得て、長い電話は終わった。

篠原の母親からの電話を切ったあと、すぐに林田に電話を掛けてみる。
そして、電話に出た林田に、篠原の母親からの電話のことを話そうと口を開いた途端、突然、涙がとめどなくあふれてきた。
もう、しばらくなんも話せんくなるくらいに、嗚咽しまくり。
自分でも信じられんくらいに。
たぶん、自分の中で抱えきれんやったんやと思う。

自分の知らんところで、同級生の女の子がすごく苦しい思いをしとる。
しかも、間違いなく自分のせいで。
母親がとても心配をし、思い余って、娘を苦しめとるであろう同級生の男の子んとこに電話をしてくるくらいに。

ただの彼女の被害妄想やん、と言ってしまえばそれまでかもしれんけど、なんでか涙があふれてきてどうしようもなかった。
彼女にとって、オレの顔を見るのも、一緒の教室におるのも、すんげえイヤなんやろなあと思ったし。
それに、彼女に弁解したくても、その術はないし。
でも、林田がおってくれて救われた。

結局、そのことについては、それ以降なにもなく、オレも彼女もクラスメイトとして高校を卒業し、それぞれの道へ。
もちろん、その一件のときまでと同じように、話をすることもなかった。
オレは、彼女に変な風に取られんように、教室で彼女の近くにおるときは多少なりとも気を遣ったけど。

大学のときに帰省したらクラスの飲み会があったけど、そん時は彼女も来たんやったけなあ。
よく覚えとらんわ。
でも、いまだに彼女にとってオレは、高校時代の思い出したくもない、イヤなヤツなんやろなあ・・・。

そんなちょっと昔・・・・いやいや、大昔のことを思い出した今日このごろ。

高校のときの一本の電話” に対して2件のコメントがあります。

  1. 東っX! より:

    か〜わ〜い〜そ〜う〜!
    ミノルんワルだなあ〜。
    もっとフォローしてあげればよかったのに…。

    自分は「ブス」とか言ってイジメラれてる女の子とかに優し
    くするタイプだったよ(これホントですが何か?)。
    だって、ただでさえブスなのに、いじめられたりしたらカワイそうじゃん〜!
    だからオイラもイヂメないでね。

    そういえば、小学校のときに「キモイ」と言われて皆から遠ざけられてた女の子のお母さんが、親子遠足のときすごく張り切っててウザかったのを思い出したよ…。
    でもそのお母さんも、久美ちゃんのお母さんと同じ思いだったのかな…。

    自分は、その子に優しく接していたから、ちょっと惚れられてたみたい。
    たまに、その子が小さなハートがを添えた自分への誕生日会のカードなんかを見返してみると、
    「あの子元気かな?いい男見つけたかな?」なんて思ったりします…。

    あれ?なんかいい話になってない?

  2. みのる@会社 より:

    ●東っX!
    過去最長のコメントやなかろうか・・・。
    にしても連投してくれたねえ。少しずつ返してくよ・・・。

    >>もっとフォローしてあげればよかったのに…。

    フォローもなにも、電話のことは秘密やし、
    そもそもオレ、な〜んもしとらんし、
    でもたぶん、すげえイヤがられとったんやし、
    何の手立てもないやんけ〜〜。

    >>だからオイラもイヂメないでね。

    最近の東の容姿にも慣れてきたよ。
    慣れってこわいね。
    むかしは、かわいかったよなあ・・・。

    >>でもそのお母さんも、久美ちゃんのお母さんと同じ思いだったのかな…。

    篠原 ( 仮名 ) は、キモイコやなかったよ。
    たぶん、いまごろいいお母さんになっとるんやないかなあ。
    まあ、オレのことなんて忘れたくて忘れてしまっとるかもねえ。

    >>あれ?なんかいい話になってない?

    いろいろいい人アピール、おつかれ〜。
    うんうん、いいヤツよ、東は。
    まさかこんな風な関係になるとは昔は思っとらんやったけどねえ。
    お兄さん、うれしいよ。涙が出てくら〜。

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