トドメの一言

「どうせ誰も継ぐやつがおらんやねーか」
そう言われたら、返す言葉がないやんかー。
オカンと姉貴はもちろん、血縁関係には誰にもカムアウトしとらんのよな、オレ。
実家は、自営業でもなけりゃ農家でもないし、土地と家は親父が買ったもの。
先祖代々うんぬんといえば、苗字くらいなもん。
ただ、ジイちゃんから親父、俺へと受け継がれた、ちょっとした巻物がある。
その巻物が入った木箱は、仏壇の横の隙間に隠すように置いとった。
親父の三回忌法要のために、先日帰省したんやけど。
そしたら、その巻物が横長の額縁に入れられて、鴨居に飾られとる。
なんとまあ驚くことに、巻物の両端が、見事にバッサリと切られて。
ああ、、、なんちゅーことをしてくれるんよ、オカン!!
あんな怒鳴り声をあげたんは、いつぶりやろか。
しかも、「だって、もったいないと思って」とかオカンは言うし。
さらに、自分からちっとも謝ろうともせんし。
結局そのあと4日間の帰省中、オカンとは必要最低限の会話しかせんまんまー。
そして、その巻物の件は、法要に集まった親戚中にも知られることになったんやけど。
どうやら俺が席を外しとる間に、オカンが話したようで。
しかも、俺がかなーり憤慨しとることも。
そしたら、おいちゃんもおばちゃんもみんな、俺をなだめるの。
「お母さん、許しちゃりーちゃ」と。
そんな中で、おいちゃん(オカンの弟)に言われたのが、冒頭のあれ。
まあ、茶化しながら言われただけなんやけども。
しかしこれは、俺がえらい怒っとるせいかな、と。
俺がえらい怒っとるけ、おいちゃんおばちゃんも、怒らんですんどるんかなーと。
まあ、そうじゃなくても、俺の気持ちの持って行きどころはなかったんやけど。
それとも、俺が狭量な人間なんやろか。
てことで、継がないけんもんは、ホントになんもなくなった気がする。
でも、ちょーどよかったんかもしれん。
おいちゃんの言うように、俺のあとを継いでくれるやつは出てこんのやけ。
親父が買った土地と家は、俺が死んだら甥っ子姪っ子が好きにしてくれればいいし。
でもなあ。
もし男同士でも子供ができるんやったら、いまごろ俺、子だくさんな気がする。
そんで、腹違い? 種違い? の子どもたちがいっぱいとか。
いまごろ、一番上の子は、大学生ぐらい?
ああ、、、なんか背徳感。



みのるさん、子ども、もらえばよかっちゃない?
■じょじ
えーー。
姉貴の子供?
そうでもない限り、独り身で養子とか無理やないのん?
いやいや、それでも姉貴んちが許さんよ。
てか、いいのんよ。継ぐもんとかないし。