初恋かもしれん
先日、夢を見た。
まあ、先日に限らず夢はよく見るけども。
その夢に出てきたのが、懐かしい人やった。
名前は、はや●だクン。
夢で見たのは、初めてか、もしくは記憶にないくらい久しぶりのこと。
その夢の詳細は覚えとらんけど、軽いキスぐらいはしたような、そんな微かな夢の記憶。
もう20年くらい実際に会っとらんけども、今でもそいつの誕生日を覚えとる。
5月17日。
自分とちょうど2ヶ月違い ( 正確には10ヶ月違い ) で、偶然にも元々彼と同じ。
彼とは、小学校の5〜6年の時に初めて同じクラスになって、だんだん仲良くなり、休み時間やら、放課後やら一緒に遊んだ。
まあ、仲良くなったっちゅうても、ふたりの間が親密になったというよりは、仲良く遊ぶグループの中に、お互いおったて感じ。
小学生のころは、仲良しグループもそんなに固定されとらんやったし。
そいつは普段はよく喋る方ではなかったんやけど、遊ぶときには、すごくひょうきんで、いたずら好きで、みんなを笑わせとったし、オレも彼が笑わせてくれるのがすんごく好きやった。
それにもちろん、見た目もカッコよかった。
クラスの中で、順番で誰かが標的になるイジメめやら仲間外しやらがあっても、はや●だクンは、それには加わらんで、誰に対してもふざけてみせては笑わせてくれよった。
いつしか、“ はや●だくんともっと仲良くなりたいな ” と思うようになって、でもまだまだ寡黙な方やった自分は、こっちから話しかけることもあんまできずにおって。
学校が終わり、校舎を出て校門へ向かって歩きよるときに、後ろから「 ●●くーん ( ←オレのこと ) 、一緒に帰ろ〜や〜! 」 と彼の声が聞こえると飛び上がりそうなくらいにうれしくて仕方がなかった。
放課後に、友達と何人かで彼のおうちに遊びに行ったときは、こんな部屋に住んどるんや・・・と、なんかドキドキしたような気がする。
小学3年生のときに自分がちょっと遠くに引っ越したせいで、小学校の同級生とは違う、隣りの中学校に行かないけんくなって、小学校の卒業間際にそのことを知ったときは、大泣きした。
いま思えば、はや●だくんと同じ中学に行けんのが、とても悲しかったんやないかと。
小学生のころから背の高かったはや●だクンは、中学校では野球部に入ってピッチャーに、自分は隣りの中学校でバスケット部に。
夏の市内スポーツ大会が行われたときなんかには、市民体育館の隣にあった市民球場で、彼が投げる試合を見たりもした。
たまにそうやって野球をやっとる姿を見かけることはあったけど、話す機会はほとんどなくて。
高校は、自分は学区内のちょっと遠い学校へ汽車通。
彼は地元の農業高校へ。
だって、はや●だくん、おべんきょは小学生のときもダメやったし。
あは。
ある日、高校の帰り道、駅前の本屋さんで立ち読みをしよったら、誰かお客さんが入ってきた。
それがなんと、はや●だクン。
もうこんな風に偶然に会えたことがうれしくてうれしくて、そのまま本棚の前で、なんでもない話を1時間以上しとったと思う。
小学生のときは、こっちが見上げよったはや●だクンやったけど、そのころには、もう目線の高さはオレの方がちょっと高いくらいで。
確か、駅前の本屋でのそんな偶然が2〜3度あった。
そのあとも本屋の前を通るときはいつもいつも、店内を覗いてみたけど、はや●だクンに会ったのは、それが最後。
自分がゲイだと自覚し始めたのは20代になってから。
それまでは女の子を好きになって、付き合ったりもして。
やから、彼に対する気持ちがなんなのか、当時はよく分かっとらんやった。
あんなことやこんなことしたい・・・とか思ったことはなくて、ただ単に仲良くなりたくて、話をしたくて、顔を見たくて。
まあ、いまなら全然ちがう欲望が沸々と湧き起こりそうやけど。
あは。
インターネットというもんが出てきて、当然のごとく、彼の名前で検索したことがある。
そしたら、某国立大学の院生の研究発表者の中に彼の名前があった。
学部は農学部。
あの農高でも、ほんの少しだけ推薦枠があったとか聞いたことあるし。
もしかして、あの、はや●だクンやろか。
元気にしとる?

